20周年の節目を迎え更なる飛躍を。組織変更や業務改革を積極的に実施し次世代を担う人材の育成に取り組む 代表取締役社長 花田 正実

20周年の節目を迎え更なる飛躍を。組織変更や業務改革を積極的に実施し次世代を担う人材の育成に取り組む

代表取締役 社長 花田 正実
これまでとは違う「新しい風憩セコロ」をつくる“行動の時期”

——風憩セコロは2019年に創立20周年を迎えました。この先の展望を教えてください。

展望ははっきりしています。この会社を次の世代にいかに承継していくのか? これが最大のテーマです。創業以来、私と渡辺博取締役・東京支社支社長の二人三脚で会社を引っ張ってきましたが、いつまでも先頭に立って走り続けるわけにはいきません。とはいえ、「風憩セコロ」というブランドのテイストは私たち2人でつくってきましたから、それをそのまま、ほかの人に引き継ぐことは難しい。これまでとは違う「新しい風憩セコロ」を築いていくために、悩みながらも"行動に移す時期"と、とらえています。

若い人たちに役割と責任を与えることで、働き方の意識改革を

——「新しい風憩セコロ」を築くために、具体的にはどのような取り組みをしているのですか?

組織図を見直し、次世代のリーダーとなる人材の育成に力を注いでいます。そのための一助として、勤怠管理のクラウド化や稟議書のオンライン承認といった、デジタル技術を活用した業務改革を推進しました。いわゆるデジタルトランスフォーメーション(Digital transformation:DX)です。DXを取り入れることで、誰が上司なのか? 誰の判断を仰がなくてはいけないのか? 社内の指示系統がより明確になるという利点があります。結果として、社員一人ひとりがマネジメントを意識した働き方に変わっていくことを期待しています。

製品の質だけでなく、働きやすさにもこだわりたい

——DXを取り入れることで業務の効率化や生産性の向上が期待できるだけでなく、コロナ禍における“新しい働き方”にも迅速な対応ができますね。

例えば新卒採用の際、これまでは「製品にしっかりとしたコンセプトがあって世の中のためになっている」と弊社の“事業内容”に興味を持ってくれた。でも、これからはそれだけではダメ。福利厚生や人事考課といった“働き方”も、これまで以上に整備することが不可欠です。この両輪がしっかりと回ることで、初めて風憩セコロという会社を“いい会社”だと認識し、「一緒に働きたい」と思う人材が集まってくれる。DXを導入することで、将来を担う優秀な人材を得ることができると考えています。

主張するのではなく、周りの景色に溶け込むようなデザインに

——環境面やデザイン性に優れた自社ブランドの開発に挑戦し続けていますが、ものづくりにおいて重視していることは何ですか?

私たちが手がける製品は、公園や道路といった公共スペースに設置される照明やベンチ、手すりなどが中心です。つまり、多くの人の目に触れて実際に使われる機会が多い。だからこそ使う人、すなわち市場が求めるものづくりに常にこだわってきました。デザイン面における特徴は中庸であること。それ自体が主張するのではなく、どこに設置しても使いやすい。周りの景色に溶け込むようなデザインを心がけています。

“自分事”として主体的に仕事と向き合う

もう一つ、ものづくりで大切にしているのがメーカーとしての責任です。製造担当者は責任を持って製品をつくる。営業担当者はお客さまの要望に対して迅速に対応する。一つひとつの仕事を“他人事”として捉えるのではなく、“自分事”として最初から最後まで責任を持つことにこだわっています。結果として、私たちの製品を採用してくれる設計事務所や地方公共団体の方々からは、「変更や相談に対して迅速に対応してもらえる」「親身になって相談に乗ってもらえる」と喜んでいただいています。

私たちとしては当たり前のことですが、もしかしたらそれが当たり前の世の中ではないのかもしれませんね。ただ、はっきりと言えるのは、弊社の社員は全員が“自分事”として仕事に向き合って、主体的に働いている。
それこそが風憩セコロの社風であり、責任だと思うのです。

充実の製品ラインナップでSDGsの取り組みをサポート

——当たり前のことを当たり前にやる。簡単そうで実はなかなか難しいことだと思います。

当たり前といえば、今ではすっかり当たり前となった風力発電や太陽光発電にも20年前から取り組んでいます。クリーンエネルギー製品やリサイクル再生木材など、エコ関連の製品開発には創業当初から一貫して取り組んできました。当たり前のこととしてやってきたので特別なことだという実感はありませんが、ようやく時代が追いついてきたということでしょうか(笑)。

SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)に積極的に取り組む地方公共団体や企業が増えるにつれて、弊社はSDGsを実現するために必要な製品がそろっているという点で注目いただくことも多くなりました。ありがたいことです。

市場が求めるものを作り続けていけば、間違いなく社会のためにさまざまな貢献ができる。これからもその志は忘れずに持ち続けていきたいですね。

次世代を担う人々の道しるべとなるような「セコロの学校」をつくりたい

——社員の学びのサポートも、「新しい風憩セコロ」をつくるための大切な取り組みといえますね。ほかにも、社員一人ひとりのキャリアアップのために実践しようとしていることがあれば教えてください。

商品開発に必要なクリエイティブな部分の強化を目的とした社内教育に力を入れていきたいですね。そのためには教育に費やす時間と勉強法を、社内システムの中でつくり上げていく必要があります。プレゼンテーション資料を使って一方的に話すのではなく、学校みたいな感じ。オンラインを活用した新しい形での社内ミーティング、社内勉強会のようなイメージでしょうか。

社員は皆、真面目で知りたがっているのです。知りたがっている人たちに対して、私が培ってきたこれまでの経験をきちんと方向性を示して教えてあげたい。次世代を担う社員一人ひとりの道しるべとなるような、そんな「セコロの学校」をつくっていきたいと考えています。