東京都江東区冬木の亀久橋橋台敷は、震災復興橋梁の下に整備された歴史的意味を持つ憩いの空間です。
こちらの広場へ、人造石研ぎ出し仕上げのコンクリートベンチを納入しました。
「人造石研ぎ出し仕上げ」と呼ばれる伝統的な左官工法で作られたこのベンチは、鉄筋造形からコンクリート成型、鏝(コテ)塗り、そして研磨まで、すべてが職人の手作業によって生み出されています。
着色されたセメントペーストと種石(天然石の砕石)を混ぜ合わせたものを塗り込み、硬化後にグラインダーで研ぎ出すことによって、美しい石の表情が現れる滑らかな質感が特徴です。
この工法は大正・昭和のモダンな建築に多く用いられ、学校の水飲み場や公園の滑り台などでも親しまれた歴史ある仕上げ方法です。
職人の手仕事による温もりをもつコンクリートベンチが、駅を利用する人々にほっと一息つける憩いの場所を提供しています。